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埼玉県小川町

  ざっこくこうぼう
 麦雑穀工房マイクロブルワリーの自給農場では自然力にまかせた農法(自然力栽培)を採用して、安全で美味しく滋養豊かな食材を生産しています。
 ここでいう自然力とは周知の太陽からふりそそぐエネルギーをはじめその賜物たる生き物たちや土、水、大気の諸力を指します。 具体的な現場では野や山そして耕作地に暮らす生物生命のライフサイクルをできるだけ壊さないよう、  さまざまな動物や植物そして微生物などと友好的に暮らして、それらが営む自然の力を有効的に活用するよう心がけます。 農具や資材は、自ら制作製造ないし廃棄前のものを譲り受けて修理再生して使います。つづき

第一農場(不動橋北) 2004/9/6追加 古里1号
第二農場(不動橋南) 2004/12/4追加 わが国初のビール麦品種−金子ゴールデン−
第三農場(兎平) 2004/1/14追加 ブルーベリー、10/19追加 ホップの毬花
小川水源(館川ダム)

里山の資源・薪
2009年初夏収穫の麦類


 永遠の作業
     畑の石拾い。



 不耕起と敷き草マルチ農法にしてから、より石が目立つようになった。ミミズが微生物をたくさん含む表層土や腐植を食べて生活坑内で糞をしたり坑内に運ぶから結果として、ミミズに食えない石が表面に浮いてくるのだと思っている。
 かのダーウィンが観察した「ミミズ石」は19年間でおよそ28cm沈んだそうですが、わが畑に棲むミミズとは異なる種。わが畑にはたくさんミミズが棲んでいるもののミミズの糞が表土に露出していない。
 ミミズが棲むことによって土壌の通気と通水が改善され、作物の根張りがたいへんよくなっている。
 かねてより大きめの石は拾っていたのだが最近、収穫終了後とくに目立つので、収穫終了後と作付け作業のたびにていねいに石を拾い、その石を公道通路のぬかるみ対策に活用するようになった。
 拾っても拾っても石はある。終わりがない、永遠に続く作業だろう。しかし、大きな石の出現が減った。小さい石は拾えないが「それも水はけを良くする」と考えればよい。
  
 【左】トマト跡。敷き草マルチが分解されて姿がない。 【中央】ナス跡。根は抜かない。この畝も敷き草マルチが姿を留めていない。 【右】通路のぬかるみ対策に活用。


 2009年初夏収穫の麦類
     無肥料、不耕起で育てる麦類。
     自然力 → 太陽の力、微生物や植物の根系や腐植などを含めた土の力、この風土に合わせた作物のもつ力。



 2009年7月19日 ライ麦の選別
脱穀した麦類はおおきなゴミをフルイで篩った後でも、数センチから10センチほどの長さの茎や籾殻が混ざっている。そこで以下のように還流式精米機でそれらを砕き、最後に箕選をおこなう。


数センチから10センチほどの長さの茎や籾殻が見える。これはフルイでも選別できない。中央の盛り上がりは下部から還流している穀粒。


このベルトで動力を伝達。


動力源はいわゆる発動機。


還流式精米機から排出された選別ゴミ。


還流式精米機でごみが砕けたら、この箕選が最後。麦粒だけが得られる。箕の動力も同じ発動機。

 2009年7月13日 ライ麦の脱穀


すでに刈り取ってハサ掛けしてあるので、これを下ろす作業から開始。


10年来、無肥料で栽培してきたライ麦。今年は穂がずっしり重い


脱穀作業。

 2009年5月29日 ビール麦の刈取


あまぎ二条と金子ゴールデンの区別ができない。


ここの集落では麦畑がここだけ。野鳥の格好の餌場になっている。


刈り取ってハサ掛け。10日間ほど乾してから脱穀。

 2009年5月13日 色づき始めたビール麦


黄金色に色づきはじめたあまぎ二条の穂。


こちらは開花を開始したライ麦。

 2009年4月16日 出穂開始


出穂を開始した金子ゴールデン。茎数が少ない。


出穂を開始したライ麦。これも茎数が少ない。


これは麦芽粕を還元している野菜畝に勝手に育ったライ麦。旺盛な生育。勝る莢数、太い莢、大きい穂。麦芽粕の酵素力を再認識。前二つの写真「無肥料栽培」の畑(東屋の奥=不動橋北)は土づくりを要す。不動橋北、この畑、今年はこれから緑肥のクローバーを繁茂させる予定。種は入手済み。

 2009年2月20日 分けつが進む。もうすぐ春


越冬中、いくほんも分けつした金子ゴールデン。腐植へと分解中の昨年秋収穫したアマランサスの残骸。


ライ麦の方がたくさん分けつした。


ズームアップするとまばらだが、こうみると立派な麦畑にみえる。奥に満開の梅。その手前の2列が腐植へと分解中のネコジャラシの残骸。

 11月26日 すでに発芽

・ライ麦はすでに5センチ以上に育っている。24日の降雨後に撮影。
・虫食いの金子ゴールデンの発芽率はどうだろうか。播種後10日間で3センチほどの背丈。この様子だと、まあまあといったところ。24日の降雨後に撮影。
兎平の畑周辺の山は落葉期。2008年11月26日8:00。今朝は霧が濃い。右下に見えるのは周辺の山桜の枝で建てた作業小屋。廃材のトタンに緑のペンキを塗った。 11年前、建築中(97年12月6日)の写真

 11月14日、麦まきを終える


・ことし作付けした麦類は金子ゴールデン、あまぎ二条、ライ麦。
・金子ゴールデンは4年間、あまぎ二条とライ麦は10年来この風土のうえで無肥料で育んできた麦類の種。
・前作の残骸や雑草のボッチがあっちこっちに。これが小動物や昆虫類の越冬場となる。


・ボッチをズームアップ。
夏の間、例年ここの周辺でキジが子育てをする。今年はサツマイモを餌に5羽が巣立った。
キジ3割、人類7割の分け前。キジが食べる量はわずかだが突っついたイモは腐ってしまう。
このキジの羽、ほんの3ヶ月前ころの炎天下、雑草に覆われた芋畑でくらした親子キジを想い起こす。
それにしても工房の農場は石ころだらけ。

 11月6日〜9日 麦蒔きの準備:草かき


・たいせつな根系を破壊しないよう、ミミズや昆虫類などの生き物に損傷をあたえないよう、表面だけ浅く浅く草かき。夏作物と夏草の残骸は微生物たちの貴重な餌ともなる。

 11月5日 夏作物の残骸を整理

・刈払った草のボッチは小動物や昆虫など多様ないきものたちの越冬場所。
・ネコジャラシの莢の下には小動物や昆虫などが越冬するのでこのままにしておく。
・アマランサスの茎まわりも小動物や昆虫などが越冬。


 2008年初秋
無肥料、不耕起で見事に育った雑穀類の出穂(9月上旬)、開花・登熟(9月下旬)です。6月に収穫を終えたライ麦跡には今年もエノコロ草が繁茂しました。


 9月下旬

・アマランサスの開花
・奥に茅葺東屋
・7割ほど登熟したモチキビ
・雑草のなかにモチキビが育つ。
 もう少し雑草の手入れをした方がよかったか
・今日(9月25日)収穫するネコジャラシ
・ネコジャラシのなかに育つ、ネコジャラシに負けない大豆が数本。

 9月上旬

・出穂中の雑穀類
 右端がアマランサス、中央一列が開花中の大豆(青山在来)、左がモチキビ。
 異常な天候ですが雑草に守られてどれもが力強く育っています。
・アマランサス、中央奥に茅葺東屋
 ニューアステカ。大きく育ちます。この後、霜が降りる直前まで、葉の付根からも次々と出穂してきます。
・エノコロ草
 昨年と同じ場所です。9月下旬に収穫・脱穀します。


 2007年9月下旬、雑穀と雑草?の登熟を待つ農場の風景です。


・モチキビとモチアワ
 代表的な雑穀です。
・アマランサス
 7月下旬播種。8月中旬移植。今年は遅いから虫害がありません。どれほどの収量か。
・エノコロ草-1
 今年は麦作予定畑にこのエノコロ草(ネコじゃらし)が大繁殖。せっかくだからこれを収穫して「雑草ビール」を造りましょう。
・エノコロ草-2
・エノコロ草-3
・ソーメン瓜
 金糸瓜ともいいます。3年前にいただき放置しておいたものを割ってみました。外見も中身も完璧です。ただし一部の種が発芽していました。種は来年、蒔きます。

 2006年5月、麦秋を待つ農場の風景です。


・金子ゴールデン
 わが国独自の品種、幻のビール麦。こんなに沢山穂がでて開花しました。今年からは、多くの皆さんに少しずつさしあげられます。
・あまぎ二条
 5年ほど前までは関東でビール麦の標準品種、無肥料/不耕起栽培、開花中です。
・ライ麦
 これでも背の低い品種だけを選抜しました。背丈が2メートルほどになって、開花中です。
・自然栽培の莢エンドウ
 「エンドウは石灰をまかないと生らない」とほとんどの方がいいますが、そんなことありません。こうしてきちんと実をつけてくれます。後ろの黄色い葉は花茎の収穫を終えた白菜です。
・ツタンカーメンのエンドウ
 なんとも怪しげな作物ではありませんか。紫の莢です。


第1農場不動橋北


出穂中のもちアワ−古里1号−
04年9月6日撮影。不耕起。7月上旬播種。ちょうど2ヵ月。雑草に負けず、たくましく出穂中。大きく立派な穂です。鑑賞用にもなりそうです。
この「もちアワ」古里1号(コリ1号)は、現在の奥多摩町小丹波(古里村)でつくられていた品種です。大戦後、東京農業試験場で品質と収量を比較したところ最も優れていたそうです(農文協『江戸・東京農業名所めぐり』p151)。播種期は「7月はじめころ」(同150p)とあります。この穂はJA東京教育センター学園長の大竹様から04年6月に頂戴しました。

手前は収穫中の二条大麦、通称ビール麦
奥の背が高いのがライ麦


ライ麦の手前にバインダーがみえます。自動で刈り取って手ごろの大きさに束ねてくれる自走式の機械です。この機械のおかげで私1人で収穫が可能になります。このバインダーは近隣で米を作っている方から「もともと中古。物置に長年放置したのでタイヤがだめになった。廃棄する」と聞きつけたので頂戴しました。高価な正規のタイヤは買いません。中古を検索。外見もサイズもかなり異なるタイヤであっても、取り付けさえできればこっちのもの。こうして便利に使っています。

出穂中のライ麦

緑肥として栽培したライ麦
11月上旬に播種したライ麦が、4月中旬に出穂。出穂すると背丈が2mに達します。 4月19日、刈払い機で3段にカット。麦莢、茅は刈払い機に絡まず、カットしやい。


第2農場不動橋南


さつまいもの花
2005年8月14日撮影 紫芋の花 数年前よりイノシシが出没するため全滅を覚悟して作付けたものの今年は珍しく食べ残しが数本あって、珍しい花をつけました。イノシシさん、紫芋は美味しくない?その後、「紫芋の花は珍しくない」と聞きました。

わが国初のビール麦品種−金子ゴールデン−

発芽しました。2004年12月3日8:00撮影。
霜の朝。無肥料、不耕起。
もうすぐ出穂。2005年4月26日12:30撮影。
背丈が30センチしか生育しない。貧弱。この品種は肥えた土地、練馬ならともかく。ここ小川での自然栽培には不向きか。
数日後、晴天の日に収穫です。2005年6月1日5:50撮影。あまぎ二条よりも10日ほど晩生です。茎や穀皮に赤色が混ざっています。
金子ゴールデンが発芽 金子ゴールデンが出穂 金子ゴールデンが出穂
 金子ゴールデン(ビール麦品種の二条大麦)は北豊島郡中新井村(現在の豊島区豊玉)の金子丑五郎が1900年育成したわが国独自の品種。早稲で倒壊しない優れた性質を持つため、その後のビール麦の主要品種に血が引き継がれているそうです(農文協『江戸・東京農業名所めぐり』p112-112)。ビール麦の栽培が盛んだった昭和25年(1950)には東京で、生産者1044戸、練馬区だけでも440戸、71ヘクタールあったといいます(同)。この種はJA東京教育センター学園長の大竹様から04年6月に頂戴しました。
・50年代、私が小さい頃、近所で栽培していたビール麦はどれも背丈が大人の肩ほどもありましたから当時でもこの系列でない品種も相当数あったようです。

登熟前のビール麦
2000年代の品種、二条大麦です。

そばの花
小川在来種。8月15日に4列播種したもの。「秋ソバは盆前後に播くとよい」という、このソバを70年間作付している方から1998年夏、いただいた種を受け継いでいます。ソバは適期に蒔かないと花は咲きますが実が付きません。


第3農場兔平


コウゾの実  アップ
コウゾの樹皮は和紙の材料です。この実はほんのり甘く、少し粘りがあります。この実が雨にあたるとコンペイトウのようにキラキラ光を反射して素晴らしいです。鳥が食べて、あっちこっちで種入りの糞を落とすため、コウゾの木が畑の周囲にたくさんあります。

6月、収穫直前の中力小麦

真夏のブルーベリー
05年8月19日撮影。原種のビルベリーに近い品種、小粒。たくさん実が付きすぎて枝が地面まで垂れてしまっています。

冬のブルーベリー
04年1月14日撮影。まだ葉がついています。20株、若木。今年は30k程度の収量か。
橋南の果樹コーナーに親株が5本ありますが、水はけが悪いため収量が少ないので1998年、その株の枝を挿し木して2000年春、ここ山際の斜面に定植しました。

ホップの芽と毬花
Hop Hop-zoom
04年3月8日撮影:左。ホップの芽がでました。
一般にビールには西洋カラハナソウをつかいます。これはいわゆる和製ホップ。カラハナソウの芽です。つくしのようなのがホップの芽、枯枝は去年の茎です。実生5年目。大株です。
 右がビールに不可欠な毬花。9月下旬。収穫期ですが雨に濡れています。この毬花の個々の花弁の付け根にネバネバした苦味、アロマ、芳香成分があります。晴れた日に毬花だけを収穫、よく乾燥して保存します。

ホップの根とその芋
2006年3月25日撮影:ホップの根です。なんと! 芋に養分を蓄えています。

丸太材をそのまま使う小屋「ログハウス」
1997年1月、建築中。

裏山のクヌギ落葉を発酵堆肥にする:降雪期


おがわ水源 館川ダム


館川ダム
町の南西、堂平山の麓に位置します。正面が標高875.8mの堂平山です。


自然力栽培の解説−つづき−


 自然力栽培の究極は無肥料、不耕起です。 小動物、昆虫、雑草、微生物と共生することで、それらの営みが、天敵を生息させて病害虫を抑制したり、 保水性を向上させたり、地中に酸素を供給したり、作物に必要な養分を供給したりするのです。 そうしたいきもののライフサイクルが保たれ、それも人間がかかわりをもって創りだしてきた、典型的な場所が里山です。 かつての私たちは里山を有効に活用していました。 食材、燃料、腐葉土・堆肥材など、毎年収穫してきたにもかかわらず、人間がやさしく介入してきたために、 自然の略奪が進まず、見事な人工自然がおりなされてきたのです。
 そこで、自然力栽培では、こうした里山のメカニズムを耕作地に持ち込み、 生物輪廻のライフサイクルを形成ないしとりもどして、その自然の営みを有効に活用します。
 そのために以下のような指針のもとで活動することが大切だと考えて実践しています。
 ・排水性、透水性を改善する。
   草はかく、作物や雑草の根を抜かない。根系のさまざまな働きを温存させる。
 ・落葉、雑草、作物残骸など植物質で敷き草マルチを実施。
   これらマルチの腐植や堆肥は土壌表面に施す。
 ・風土に合った品種を選定する。
   自家採種、地場伝統在来種。
 ・農場外から持ち込む物質は以下のみとする。
   畑周辺の草や落葉。これらは敷き草マルチ、腐葉土・堆肥づくりに活用する。
   腐葉土・堆肥は作物近傍の土壌表層に施す。
   薪ストーブ(燃料は里山の資源・薪や周辺の剪定樹木)の草木灰。土壌表面に散布する。
   工房からでる麦芽粕・発酵澱を野菜栽培予定畝の土中表層に還元する。
   ななさと福祉作業所(ふるさと牧場)の完熟腐葉土、完熟腐葉土入り有機発酵鶏糞。果菜類の苗近傍の土壌表層に施す。
   これらは土壌中の微生物や昆虫など、いきものを元気にする物質と捉え、肥料の概念を持たない。

裏山に無尽にある天然資源(3層に重なった落葉)
−今日、他に利用する者のない自然がさずけてくれる贈り物−
 上から20cmほどの層は今年の落葉、その下5cmほどの層は昨年の落葉、さらにその下10cmほどの層は化成肥料の普及後、数十年間に渡って降り積もって堆積分解した腐葉土。

里山の資源・薪
薪ストーブ
薪の運搬やカットに手がかかるが、やわらかい熱がポカポカ暖かい。
このストーブで2階まで暖まるので、他の暖房具が必要ない。

煙突
煙の排出を極力抑えて燃焼効率をよくするために、
ストーブには煙を二次燃焼させる触媒が燃焼室と煙突の間にあるものの、
炊きつけ直後や燃料投入直後はやはりこうした煙が出る。

クヌギ。昨年伐採。直径40cm〜60cm。
クヌギやナラは理想の薪。燃え終えた真っ赤な「熾き火」が素晴らしい。
山から切り出して、雨にあたらないよう管理する。

今冬の燃料
右は山桜とケヤキ。カット後2年目。
このなかに玉虫とルリボシカミキリの幼虫が沢山いる。
真冬でも、近づくとバリバリ木を食っている音が聞こえる。
かわいそうだが、すでに半分燃やしてしまった。
人間って、地球上で一番残忍で身勝手な生き物です。
左はクヌギ。伐採後1年経過
これには虫がつかない。


7月11日撮影:産卵中の玉虫とルリボシカミキリ

これはイチョウの大木
雨よけのトタンの長さは180cm。いかに大木かが分かる。
カット後2年目。今年こそまな板をつくる。
円盤のまな板と普通のまな板。何枚できるかなぁ。楽しみ楽しみ

シイタケ栽培
熾き火で焼いたシイタケはたいへんたいへん贅沢な味。



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