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2010年春
製麦施設の貯蔵庫をつくる


3月25日

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 掲載予定
  建物の補修
  プレハブ冷蔵庫の設置
  冷却機の設置
  貯蔵庫の拡張
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 銅管配管 2010年4月14日〜
 コンデンシングユニッの改造と電気配線 2010年4月17日〜
 
 

銅管配管

異径処理
 屋外機と室内機。これを業界ではコンデンシングユニットとエバポレータユニットというようだ。ここでの話題はこの両者を銅パイプで物理的に結合する配管。この配管の接続部分のネジ径が同一ではない。もちろん銅パイプの径が異なるわけだ。まず液管。屋外機側が9.53mm、室内機側が6.35mm。ガス管は屋外機が12.70mm、室内機側が9.53mmとなっている。だから液管、ガス管両者ともに異径処理を要する。
 私はフレア加工ツールを持っているので当初、3種類の銅管を入手して、銀ロウ溶接とフレア加工を自らやろうと考えて、写真の接続部材をWeb検索したりDIYセンターを探しまわったりしたが、入手できなかった。そうこうしているなか異径加工、フレア加工、配管4m、Fケーブルまで含めて、たった1万円でやってくれる方があることをWebで知りさっそく注文した。数日で届いたこの接続部分のロウ付け、やはりプロの仕事だ。

フラックスの炭か
 養生のガムテープに黒いゴミが付着していた。異径処理のためにおこなったロウ付けでフラックスが燃えたのか、銅管の酸化膜が燃えたカスなのか。この反対側から高圧エアーを吹いたら、かなりの量の炭が風に飛んでいった。配管のロウ付けの際は「管内に窒素ガスや炭酸ガスを流しながら」という。しかし、プロの銅管ロウ付け作業を何度か覗いたことがあるが、ガスを流していない。この塵、塊ではないのだから気にする必要はないのかもしれない。

座屈防止材
 太い管径のパイプを曲げると管をつぶすす懸念がある。その対策のためのポリ芯(座屈防止材)を約1m同梱プレゼントしていただいた。ありがたい。これがあったおかげで太い銅管の曲げ加工が無事にできた。

室内機を付け替えて銅管を接続
 先日、四苦八苦して室内機を取付けたが。建物と冷蔵庫パネルとに配管口を開けて、配管を通してみたところ、銅管が1mも足りない。この写真のように大きな直径を描いて、3箇所も湾曲させるから、全体で1m程度の余裕では足りなかったのだ。しかたなく、室外機に近いところに付け替えて、配管をおこなった。

室外機への配管
 ガス側は12.70mm。フレア部分をきちんと対面させれば、ナットのネジがかかりやすいのだが。太い管径の場合、なかなか合わない。

電磁弁のフレアナット径が違う
 管径6.35mm。フレアナットは当たり前のサイズに決まっているものと思っていた。しかしサイズが合わない。ナットの直径が違うのだ。ひとまわり大きい。銅管をカットして、ナットを交換しなければならない。

フレアツールの出番
 工房の冷却機器類の配管を自らやるつもりで購入していたフレアツール。しかし、配管工事は友人がやってくれたので8年間、裏の工具置場に眠っていた。出番がきた。ところがマニュアルを何度読んでも意味が分からないところがある。フレア部分は、「銅管を折り返して2重にする」と書いてあり、そのために「銅管の外径と同じサイズのピン(7個の黒色円形部品)を選んで銅管に挿入する」とある。どうやっても、そんなことできるはずがない。外径と同じ大きさの鋼鉄ピンが、銅管に入るはずがないではないか。

フレア加工
 既成のフレア加工を見ると、どれも2重になっていない。だったら一重でいいではないか。一重なら、簡単に、プレスするだけで、このようにフレア加工ができてしまう。フレア加工の道具は右の「支持台」と左の「プレス」。
 無事フレア加工ができて、右の写真のように電磁弁の接続完了。室内機、室外機の接続も完了
 

配管にガス漏れがないかチェックと真空引きをどうするか
 あとで分かったのだが、取説をみると、「新冷媒R404Aを使用しているので、いわゆるエアパージをやってはならず、真空引きをおこなわなければならない」とある。いわゆるエアパージをやると主に管内水分の存在によって冷媒の化学変化を招きそれが故障につながるというし、ガスが放出されるまでパージをおこなえば違法なフロン放出にもなる。従来なら、液管側バルブを開いて、ガス側のサービスバルブを開き、ガスの放出が始まったら両バルブを閉じるだけでよかったのだが。
 この作業、省略しようか。ガス漏れチェックをパス。いわゆるエアーパージもパスで次のステップに進むか。庫内温度12℃。たいした冷房能力が必要ではないのだから、「両者ともパス」と決めた。この手抜きが後にどのように影響するか。
 

コンデンシングユニッの改造と電気配線

三相電力契約か 単相から三相変換か
 この谷津環境でのソーラーパネル設置が資源浪費になってしまうかどうかにらみつつ躊躇しているなか、三相電力源が必要になってしまった。入手した屋外機=コンデンシングユニットは三相電力で稼動するのだ。
 これは三相電力を契約導入すれば容易に屋外機を駆動できるのだが、大きな欠点がある。最大の欠点は、電線の付設工事を要すること。ついでにもうひとつ、使用しない期間帯でも基本料金を徴収される、の2点。
 電線の付設は都会での景観悪化ばかりでなく、写真のように、山間部の拙宅前の窓や庭からの景観にすらも大きな影響を及ぼす。拙宅前の景観悪化は現状でもおおいに不満である。これ以上の悪化などとんでもない。このことは重大な要素だ。ではどうするか。
 近年に至り、家庭の電灯電力配電は三線方式となって、単相200Vが配電してある。これを利用して三相電力を得る方法がある。インバータの利用である。
 

インバータの利用はコンデンシングユニットの改造を要す
 インバータを利用して単相200Vから三相200V電力を得て屋外機を駆動する方法をとる。そこで、インバータ販売業者をWebで探して連絡をとったところ、次のような助言があった。インバータ販売業者へのコンタクトはヤフーオークションID=kazz706。
 まず、インバーターの出力UVWを屋外機のRSTに接続して、屋外機のスイッチをON/OFFしてはならない。その理由は、モーター(コンプレッサー)起動時は定格電流の6〜8倍の電流が流れる。インバーターはこの起動電流に耐えられる設計になっていない。
・そこで、インバーターで装置類を駆動する場合は、インバーターとモーターを電気的に直結して、インバーターの出力を徐々にあげてゆく。
・インバーターの出力は正弦波ではなく矩形波が集合した疑似正弦波。回路に変圧器があれば過熱したり焼損する場合がある。半導体制御回路は誤動作をしたり焼損する場合がある。
・ファンモーターが単相モーターの場合、商用電源に主回路を接続する。
 つまり、室外機をインバーターで駆動可能だが、そのままでは使用できない。室外機の改造を要す。
電気図面を送れば改造が可能かどうか確認する。改造が可能であることがはっきりしてからどうするか検討することを勧める。という。助言の内容はあるていど理解していたが、たいへん親切である。
 さっそく室外機の電気図面をE-Mailに添付送付したところ、2枚の書き下ろし図面と接続方法をていねいに文書化して送付いただいた。縮小して示す。

改造の前に正相確認をやらないとコンプレッサーを破壊させる恐れ
 3相モーターは配線を間違えると逆転する。コンデンシングユニットのコンプレッサーは逆転させると壊れる懸念があるそうだ。逆転電力を供給することを専門用語で「逆相」といい、正転するように電力を与えることを「正相」という。
 インバータ販売業者から、さらにこの件について、助言があった。「コンプレッサーの赤白黒の電線をインバーター出力のUVWに接続すれば稼動するはずだが、保証はない。慎重に進めていくべきだ」。そこで、「UVW端子に間違いなく正相が出力されているかどうか、インバーター出力の検相をやる必要がある」という。そして「検相」方法の文書と図面を送付いただいた。
 手順の大枠は
・コンプレッサーのケーブルが、左赤-R、中白-S、右青-Tであることを確認して、コンプレッサーの電線を外す。
・クランクケースヒーターの電線とファンモーターの電線をいったん外してテーピング。
・インバーターに電源単相200Vを接続して、インバーターのパラメーターで加速時間・減速時間を設定。
・タッチパネルで運転して、インバーターの出力を確認。
・インバーターの電源を切って、チャージランプが消えるまで数分間待つ。
・インバーター出力端子とコンデンシングユニットの電源端子を接続。
・電源をONして、インバーターパネルで運転すると、逆相継電器が検相を行う。
 ここでコンプレッサーの電磁開閉器がONしていればとりあえず「正相」と判断。
・今度は、インバーター出力端子とコンデンシングユニットの電源端子の接続を意識的に変えてみる。
 つまり、逆相を加えたときに、コンプレッサーの電磁開閉器がOFFのままで、
 「逆相警報ランプ」が点灯すれば「検相」がokと判定できる。

単相200Vの電源を得る
 拙宅の母屋は西側の外壁が長年、工事中断のままとなっており、波板で養生してある。実は8年前、この手前にログハウスのビール工房を手づくりするつもりで、ここにつながっていた離れの和風建物を取り壊してしまったのだ。ところが当時、規制緩和の掛声のもと、開発の権限が県に移管と同時に規制が強化されて、この場所ではビール工房の認可がでないという。
 ここはそのまま、取り壊したままだ。なにかうまい工夫を考える気力がわかない。ただし、取り壊した和風建物には2系列の100V電源回路を敷設しておいた。その回路はいつでも利用できるように、わかりやすく処理してある。今回は2系列の回路であることを確認して、ここから写真右の物置まで3本の電線を地中に敷設する。
 2系列の回路であることの確認は、テスターで4本の電線の電圧を計って、いずれかの2本の組み合わせが200Vを指示すればokだ。残りの2本は2系列に共通の線だから、1本にまとめてしまう。
 

インバータのパラメーターを設定
 インバーターに入力電源を接続して、パラメーターを設定する。最初は屋外で電源を投入したため、環境が明るすぎて、表示器やランプの点灯が確認できず、あっちこち操作をおこなったので、初期の電源投入メニューを見失った。
 それにしても、ハードウェアを省略してソフトに多機能さを負わせる典型的な例だ。表示器は7セグメント。表示機能がきわめて貧弱なため、初心者は難を極める。ただし、販売業者の添付文書に、当該事例の改造の際に必要な最小限の設定方法が手順をおって記載してある。たいへん助かる。

正相確認
 まず、コンプレッサーにつながっている電線を外してテーピングをする。この電磁開閉器の左側3本だ。

 次に、クランクケースヒーターの電線とファンモーターの電線を外してテーピングをする。この端子台の10番と6番だ。

 コンデンシングユニットにインバータの三相電源を通電する。RSTにUVWを接続して通電。「逆相警報ランプ」がつかない。okだ。
 ではRSTにVUWを接続。つまり逆相ではどうか。「逆相警報ランプ」が点灯した。okだ。

電気配線と試運転
 コンデンシングユニットのコンプレッサーを除く配線をもとに戻して、電気配線をおこなう。
 室外機から屋内に引き込む電線は、インバータon/off制御線:2本、温度制御サーモスイッチ線:2本、インバータ出力UVW:3本、液管電磁弁駆動線:2本、室外機駆動電源:2本、接地線:1本。計12本だ。

 とりあえず、インバータ出力とコンプレッサーを接続。コンプレッサーだけを、インバータon/off制御線で運転してみる。okだ。では、屋内配線をおこない、試運転をやってみよう。

 温度計の指示は15℃。制御温度を12℃にして、電源ブレーカーを投入。コンプレッサーが回り始めた。
 数分が経過すると、温度計が10℃に下がってコンプレッサーが停止した。設定温度を少し下げたら再度コンプレッサーが回り始めた。
 一応、改造成功と判断して、電線を整理する。

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