麦雑穀工房マイクロブルワリー  2011年自然力の雑穀類

2011年
アワ

8月17日
 播種後50日。ここにきて、雑草とアワが区別できるようになった。苗が雑草に埋もれていた2週間前、刈払いをおこなった。その成果が現れたのだ。しかしアワの姿がまばらである。欠落部分は酷暑で発芽しなかった可能性が高いのだが、刈払い機でカットしてしまったかも知れない。


9月11日
 穂の数が少ないものの雑草に負けず育っている。


9月19日
 登熟中のアワの穂。エノコロクサ(ネコジャラシ)やメヒシバと共存している。
 エノコロクサとメヒシバ。栽培してはいないが、たいせつな雑草、夏草。この東屋北の農場だけでこれなら地上部2トン、根系2トンの有機物が供給される。耕さず種を蒔かず、なにもせずに得られる、貴重な資源なのだ。
 とはいえ、エノコロクサの原種はアワゆえに、エノコロクサと交配して原種に戻ったら困る。エノコロクサは穂が小さく、開花期間が長いうえに順次登熟するし、適度に登熟した粒が脱粒する。栽培種はそうした欠点を克服している。栽培種は原種とはたいへん性質が異なる。


9月25日
 先週から、一本一本刈り取って、ハサ掛けしてきた。いつでも使えるようにバインダーを待機させておいたが。現実には雑草の中から穂を探してカマで刈る、という作業になった。
 実はこの写真、見栄をよくするために、アワの後ろにキビをハサ掛けして沢山あるようにみせている。
 今年の反省:雑穀類であっても、数日中に降雨予報がなければ、種を蒔いたら必ず地下足で踏む。


10月3日
 脱穀。ドラムの回転を最低速度で運転したが、けっこう穀粒がゴミに混ざって出てしまう。左右の空気吸い込み部のカバーが腐ってしまったので、風量調節ができないためだ。出て行った穀粒はシイナの筈。であっても、逃げた魚は大きく見えるものだ。
 

10月6日
 籾摺り精白。今回はじめて調理用電動ミキサーで精白を試みた。結果は上々である。
 雑穀類は少量の精白が望ましい。精白して保存すると酸化が進行してしまうからだ。
 これまで外皮のモミガラを剥ぐ籾摺作業には籾摺機を活用してきた。そして内皮のヌカやフスマを剥ぐ精白作業には還流式精米機を活用してきた。これらは重量級の機械であるうえに使用の都度、設置作業と片付け作業を伴う。還流式精米機にあっては最低穀粒量が1斗である。少量の穀粒では話にならない。作業が億劫になりがちであった。
 なお、調理用電動ミキサーで雑穀の精白ができることは農文協『農家が教える 雑穀・ソバ 育て方・食べ方』2011年2月発行63ページの記事で知った。実はこの本の先頭見出しに1ページの特大サイズで私の顔写真が掲載されているのに出くわして、嬉しくなった。光栄にも著名カメラマン、橋本紘二さんの撮影。彼は蜂に刺されて腫れたこの顔がいいと言った。


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