麦雑穀工房マイクロブルワリー  2011年自然力の雑穀類

2011年
ねこじゃらし

9月27日
 収穫期のネコジャラシ。雑穀畑に共生している。ゴマ、アワ、キビ、タカキビ、アマランサス、すべての畝にある。
 今年も畑全体にちらばって生えているので、稲刈りのように根元から刈り取って脱穀というわけにゆかない。穂先だけを刈り取って収穫している。



9月28日
 ネコジャラシの脱穀。脱芒機が大活躍。たいへんうまく脱穀する。
 穂先を刈り取ってきてはその都度、脱穀をやる。脱穀機を通すほどの量があるわけでもない。ならばここでも脱芒機が活用できるのではないかというわけだ。穂先の茎が少し混ざるが気にかかるほどではないし、多少混ざったからといって問題ではない。
 ビールの醸造では麦芽を籾殻ごと砕いてまるごと仕込む。籾殻と茎の組成はよく似ている。茎が混ざれば僅かにタンニンが増えるかも知れない。いや、それよりむしろ、麦汁ろ過時のスタック対策への効果のほうが大きい。
 どこかで読んだ浅い記憶なのだが、いにしえではビールの仕込み釜の底面に麦の莢を敷いたという。麦莢で麦芽を受け止めるとともに、麦汁を濾しとるためのろ過材である。今では1インチほどの分厚いステンレス製ろ過板になっている。わが工房のろ過版もそうしたステンレス材なのだが、ときたまスタックする。



9月30日
赤いネコジャラシ
 ネコジャラシの品種はこれまで3種かと思っていた。毛(芒、ノギ)が長い品種と短い品種。この両者は穂の形状も異なる。毛の長いものは種が疎に付き、毛の短い種は種が密に揃ってよりスマートな形状のモチアワに似ている。そして毛の長い品種にはこのような赤色の穂がある。
 ところが今回、このページをつくるために撮影を始めたのだが、よく観察すると3種類どころではない。毛の長さがまちまちだし、穂の形状もどちらともいえないものがある。色も中途半端な赤がある。
 安易な結論。ネコジャラシを無理に分類することもないだろう。ネコジャラシを原種とするアワ。このアワが日本だけでも2千種もあるという。つまり、異種間の自然交配があたりまえに起きている。この種はそういう性質をもっているからこそ、どこにでも生える強い雑草なのだろう。
 長年アワを栽培していると原種戻りしてしまう懸念があるらしい。つまり、ネコジャラシに戻ってしまうということだ。
 


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