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製麦システム
乾燥焙燥装置


 乾燥工程
 晴天の場合はパイプハウスを利用してこの写真の例のように天日によって、発芽止めと乾燥をおこなう。


 悪天候の際は中古シイタケ乾燥機を利用する予定。エール麦芽への焙燥もこの乾燥機で可能なはず。焙燥温度が120℃を越える特殊麦芽への加工は駅前の工房内の製パン用オーブンでおこなう。


2009年10月14日 中古シイタケ乾燥機を入手
 オークションで落札した中古シイタケ乾燥機が工房の駐車場に到着した。運送会社の書類では600kgというので、陸送トラックから愛車の軽トラに横滑りさせて移動。実際はパレット込みで100k程度。


 軽トラの荷台で分解してから、拙宅の物置の軒下に移動する。分解の目的は移動のためばかりでなく、乾燥機の原理を把握することと間接熱源かどうかを確認すること。なのだが、ともかく分解してその仕組みをみたいという性分。
 間接熱源を確認。熱源が石油バーナーだから直火では困る。
 どのような熱交換器が組み込まれているのだろうか。送風口の向こうに行ったり来たりの煙突が熱交換器になっている。きわめて簡易だがひとまず安心。
 ただし乾燥、焙燥は24時間運転だから無人になる場合が多いので、過熱安全装置を三重にする。


−以上は「計画」に掲載−



乾燥と焙燥 廃てんぷら油
2010年9月16日 ビーチャレ麦の製麦−乾燥と焙燥−
 先日から作業しているビーチャレ麦の発芽試験では、せっかくだから、寸胴での仕込み量分を製麦しちゃいましょう。ということで、6kgのビーチャレ麦を浸麦、発芽させた。この写真は9月11日。酷暑のなか、天日乾燥を始めたところ。
 発芽が不揃いだった。すでに理想値の倍近くの長さに達してしまった芽があれば、ようやっと発芽を確認できる穀粒もある。理由はいろいろ考えられる。高い気温の影響を制御しきれなかったのも一因。


 このような木枠をつくって乾燥と焙燥を試みた。
 焙燥時の最高温度を80℃に設定したのだが、このたぐいの温調方式。精密な上限温度が制御できるはずがない。高温になればプラスチック製のせいろのふるまいが気になる。さっそく木枠とステンレス網でつくろう。  天日乾燥を終えた11日の夕方より翌12日朝まで一晩、このシイタケ乾燥機で風乾。12日は早朝より昇温乾燥そして焙燥。まず30℃〜40℃で10%台まで水分を落としてから、段階的に90℃まで昇温したいが当面は上限を80℃に設定。燃料は天ぷら廃油。21時、焙燥を終えて常温に設定。できあがった麦芽を噛んでみたところ、なかなか、いいではないか。Ale麦芽特有の歯ごたえ。フワッとしている。いわゆる「溶けている」。この後、根を除去して1ヶ月間ほど熟成させてから、仕込みをおこなう。「溶け」の度合いが適切かどうかは仕込みの収率で判断する。


2010年10月19日 トレイを製作
 緑麦芽を乾燥焙燥するためのトレイを7個製作した。
 すでに、中古のシイタケ乾燥機を試験製麦に活用している。しかし、付属の既成トレイはプラスチック製のうえに網目が粗い。このため別途、木枠のトレイをつくって二重にして使用していた。
 あらたに製作した乾燥トレイの材料は木枠、ステンレス金網1mmメッシュ、3φ鉄コンクリート用ワイヤー10cm×10cmメッシュ。製作を開始したのが9月28日。農作業が割り込む場合があるものの、延べ3週間かかった。こんな調子だから製麦施設・システムがなかなか完成しない。


 加工製作した部品点数が木枠本体で28個、ステンレス金網メッシュ7枚、コンクリート用ワイヤーメッシュ7枚、メッシュ間の金網押え168個、ワイヤーメッシュ押え28個で、製作した部品点数は合計238に及ぶ。既成の金具類は除いている。いかなる品物もできあがったものの部品点数を知ると「そんなに部品点数があるのか」と驚く。


2011年11月21日 廃天ぷら油に適応させる
 廃天ぷら油を燃料につかっている。そのひとつが麦芽焙燥熱源のこのバーナー。今季になって着火不具合の割合が高くなってきた。これまでと比べて気温が低いのが主因でもうひとつ。今回はドラム缶の底から採った油を給油したのも影響しているのか、とも思っている。廃天ぷら油は上澄みよりも底にいくほど不純物多く、粘性も高いはず。どちらにしても100%着火成功を目指して燃料系を改善しなければならない。
 燃料タンク、フィルター、配管を掃除。バーナーも解体して清掃をおこなった。しかしそれでも、ときどき着火失敗が起こる。そうか、ジーゼルエンジンでは「始動時と停止時、軽油に切り替える」。エンジンの構造や燃料の組成にも依存するだろうが。バーナーでもそういう手段を使えば着火がスムーズだろう。


 さっそく、石油と廃天ぷら油とを手動で切替えるコックを取り付けた。黒い容器は手製の石油タンク。チェンソーオイルの容器を改造して黒ペンキを塗った。0.5Lほどの大きさ。上下逆さでつかう。この容器の口の部分に燃料チューブを差し込むと口径がピッタリ合う。改造した容器の上部に給油口をあけてあり、2Lペットボトルの下半分をカットしたフタを被せている。廃天ぷら油は燃やしてもいやな臭いがない。化学物質アレルギーの身にはたいへんありがたい。




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