麦雑穀工房マイクロブルワリー

2012年
自然力の麦類

 アオバ小麦、ナンブ小麦、ライ麦、二条大麦の四種をクローバーを混栽しつつ、野草化して増殖してきたヤグルマギクや雑草を放任して栽培した、しがない新参百姓の幼稚なスナップ写真の羅列である。
 なお、内容はメーンページの原料生産の最新トピックスおよび過去のトピックスのなかからこの表題にかかわる部分を抜粋。そして、種まきを先頭、収穫が最後になるよう並べなおした。


J2011年11月2日 麦まき完了
 麦まきを終えた。例年よりも二週間ほど早い。できるだけ早めに収穫を終えたいためだ。早まきが生育にどのように現れるか、楽しみ。
 今期はアオバ小麦、ナンブ小麦、ライ麦、二条大麦の四種。
 アオバ小麦は金ゴマ跡(写真左)。ゴマの残骸を還元しているのがみえる。アオバ小麦はグルテン量が突出して高い。製パン用途。この種は10年前、千葉県大原の知人から頂いた。
 ナンブ小麦はアマランサスとタカキビ跡(写真中央)。タカキビは刈り取ってハサ掛け中なので、まだ茎を還元してない。しかし、夏草のメヒシバとエノコロクサの茎葉が表層を覆い、畑環境を豊かにしている。ナンブ小麦は少しグルテンが高い中力。麦莢が太く生育旺盛。この麦莢の活用方法を考えると楽しくなる。
 ライ麦はキビ跡(写真右)。キビの茎葉を還元しているものの、より大量の夏草残骸の方が目立つ。ライ麦は穀粒を製パンとビールに活用。実に強い個性のパンやビールができる。長い茎は茅葺の屋根になる。他にも活用したい用途が多々あっても、収穫量が十二分ではない。
 二条大麦は種を継承する程度の作付けになっている。
 今期は試しに、とはいっても農は常に試行錯誤だが、@種まき後土をかけない、A種周辺に白クローバーを昆播、B離れた位置に赤クローバーを蒔いた。種に土をかけてないとはいえ、蒔いた種は雑穀の残骸や枯草が覆っている。



J2012年3月6日 自給農場の麦畑
 スギ花粉が本格的に舞い始めている。今日は暖かい。明日も暖かいという。昨日までの寒さがひとやすみ。先月より数回にわたって雪やミゾレが降った。長いあいだ乾燥していた畑では天水を受けた。陽もだいぶのびた。自給農場の麦類の様子はどうなっているだろうか。
 写真は左からアオバ小麦、二条大麦、ライ麦、南部小麦。4種とも11月上旬に蒔いた
 梅の開花が1ヶ月も遅れただけあって、生育が遅れている。品種の相違が遠方からだとまだ区別しにくい。とはいえ、どれもが新葉の展開がはじまり青々としてきた。よくみると、小麦に比較して早稲の二条大麦と寒さにめっぽう強いライ麦たちが茎たちはじめている。自給農場の麦類たちは確実に春を感じとっていた。



J2012年3月26日 自給農場の麦畑
 4種の麦。左からアオバ小麦、二条大麦、ライ麦、南部小麦。
 今年は寒い。彼岸から一週間も経っているのに早朝の気温が連日氷点下。それでもおよそ3週間前と比べれば茎たちが明確になった。じわりじわり育っている。



J2012年4月17日 自給農場の麦畑
 4種の麦。左からアオバ小麦、二条大麦、ライ麦、南部小麦。今月は周期的に雨が降った。麦の生長にぐあいがよい。さみだれならぬ4月雨であった。
 アオバ小麦はその名なのとおり、葉色が濃くみえる。早稲の二条大麦はカエルを飲んだ青ちゃんのように、茎の中央部がぷっくらと膨らんだ。いまにも幼穂が顔を見せるのではないか。ライ麦はこれから急速に背が高くなる。まだ膝ほどの背丈しかないのに、すでに風にそよぐしなやかな茎の姿に育った。南部小麦は、この段階から、どっしり構えた姿。じわりじわり、しっかり、太い茎に育つはず。



J2012年4月20日 自給農場の麦畑−大麦とライ麦が出穂
 二条大麦(左)とライ麦(中)が出穂。ついでに満開のソラメマメ(右)。
 今朝6時の時点では「この気候では数日後か」と思っていた。日差しのない日が続くという予報。
 工房では早朝から二代目が雑穀ヴァイツェンの仕込をやっている。夕方、工房で麦芽粕を受け取り、畑(橋南)に還元するため、農場に二度足をはこんだ。17時ころ、作業終了後、期待したわけではない。隣の畑(橋北)を観察したところ、2種の麦が出穂していたのだ。この季節、イネ科の成長は著しい。たとえば竹。マダケで1日(24時間)に121cm、モウソウチクで119cm伸びた記録があるという(林野庁/竹の性質)。
 越冬作物にはこんな寒さでもやはりこの時節。陽が高くそれなりに土の温度があがっているのだろう。ソラマメも急成長してこんなに花を咲かせた。慣行栽培ではへそに届くほどの背丈になるというが、自然力栽培では一尺ほどがせいぜい。葉の色が淡く、着果する莢の多くは地面にへばりつく。



J2012年5月7日 自給農場の麦畑−アオバ小麦と南部小麦も出穂
 4種の麦。左からようやく出穂開始のアオバ小麦、先月20日に出穂した二条大麦、つぎも先月20日に出穂したライ麦、ほぼ穂が出揃って開花をはじめた南部小麦。
 アオバ小麦(左)はこんなに晩生だったか。これら4種のなかで突出して出穂が遅い。およそ10年近くも作付けしなかったのはこのためだった。この種がうまれたのはこの地よりも温暖な房総。かの地ならもっと生育が早いのだろう。
 南部小麦(右)は雑草が優勢。疎蒔きが原因か。ライ麦連作跡ゆえ地力が弱いか。およそ30列のうち手前の数列だけがものになりそう。雑草が勝るほかの列は青刈りしてクローバーを優先させよう。その青刈り予定列の背後に、穂が揃って壁のようにみえるのがライ麦。



J2012年5月15日 ビーチャレ麦の生育状況と自給農場の麦畑
 ビーチャレ麦の収穫際が6月9日に決まった。さて、これからの生育ぶりが気になる。
 左がビーチャレ麦の生育状況。右が自給農場のビール麦。今季は同一品種「ニシノチカラ」を蒔いた。自給農場の方が二週間早く播種したが、両者ともほぼ同様の生育状況。先週よりも穂が充実するとともにノギの先端がわずかにサーモンピンク色を帯びてきた。理想の生育状況である。6月9日が楽しみだ。
 なお、この二条大麦は閉花受粉性なので花弁が開かない。つまり開花しない。



 こちら3枚の写真は自給農場で生育中の麦類の足元と青刈り跡。いずれもクローバーが育ってきた。左が二条大麦の足元。中がライ麦の足元。右が青刈り跡。
 今季は播種列に白クローバ、列間に赤クローバを蒔いた。この段階では白赤が区別できない。赤クローバは背が伸びて麦莢に絡まる。熟した麦を収穫してハザ掛けしても、絡まった赤クローバの乾燥が進まず、カビがはえる。白クローバは背が伸びないのでその懸念がないはずだという期待である。



J2012年5月24日 二条大麦の生育状況
 左は5月19日。穀粒が充実して籾がわずかに黄金色をおびている。右は24日。穂首の湾曲がはじまった。いま子実水分が40%ほど。
 ビ−ル麦の子実水分が低下してゆく速度ははやい。佐賀県農業試験研究センター「佐賀県麦栽培指針」によれば、成熟期前後の麦の穀粒水分は小麦で1日当り2%、大麦で3%低下するという。穀粒水分20〜25%がビ−ル麦の収穫適期。すると、もしもこのまま晴天が続けば5月末あたりが収穫適期になるのだが、明日は雨模様だし、来週も曇天や雨の日があるとの予報である。
 ところで、今季はビール麦の生育状況をたびたび報告している。それは自身の生活圏内にある直轄農場に作付けした二条大麦が霜里のビーチャレ麦と同一品種であるうえに、蒔きどきがずれたものの穂が充実するにつれて両者が同様の成熟状況を見せるようになってきた。このため、観察や撮影が日常のなかでできるからだ。



J2012年6月3日 二条大麦の生育状況
 左がビーチャレ農場の二条大麦。あの霜里農場である。今季はバイオガス発酵槽から生まれた良質の液肥をいれていただいた。茎立ちが多いばかりか、穂に重量感がある。
 右が直轄農場の二条大麦。麦も雑草も区別なく栽培している。それにしても、このように両者の成熟期が揃い、その穂茎を左右に並べて比較したのは始めてのこと。第一印象が茎穂の色だが、霜里よりも薄くみえるのは光線のせい。霜里で撮影したときは曇天、直轄農場に移動したら陽が射した。しかし、なんといっても、茎数/穂数が少ないばかりか穂のサイズが小さい。もっと、しっかりと、クローバーを育てて地力を向上させねばならない。
 さて、両農場の二条大麦ともに大方の穂首が湾曲している。晴天続きならば収穫どきなのだが。このところ気まぐれに晴れ間がのぞくときがあるものの連日のように雨が降る。子実を噛んでみたところ、チョット軟らかい。収穫際を6月9日に予定したのは正解。週間天気予報によれば今週は曇りがちだが降雨は6日(水)だけ。8日(金)後半は晴れ間が広がるという。予報通りなら、9日(土)は絶好の収穫日和だ。



J2012年6月5日 直轄農場の二条大麦を収穫
 直轄農場の二条大麦を収穫した。昨日は晴れ間がのぞいて子実の乾燥が進行した。そこで、いつでも収穫できるよう東屋の内外を整理するとともに、バインダーと脱穀機を整備しておいた。今日は曇り空だが、明日は台風3号の影響で雨だという。ならば直轄農場ではいまのうちに二条大麦を収穫してしまおう。
 刈り取りにはジャンクものを引き取って再生したバインダーを活用する。しかし、直轄農場ではいつも「手刈りのほうがいいのか」と思いあぐねる。それは石油消費のうしろめたさよりも、絡みついた雑草や下草の存在である。それらがカッターまわりに詰まる。詰まれば作物を刈り取れず、倒しながら前進してしまうのだ。あぐねつつ、それでもバインダーを選択する。バインダーはさすがに機械力、重労働を肩代わりするし、仕事もはやい。手刈りでは老体にこたえるし、ぐずぐずしていてはほかの九十九仕事に影響がでる。
 脱穀は単機能の脱穀機。99年、同僚から頂戴してオーバーホールをおこなった。当時でも年代物。単純な構造なので、たいへん気に入っている。バインダーのエンジンを都度、下ろして動力源にしている。
 ついでに大麦とともに収穫期をむかえたソラマメとビックリグミ。
 自家採種のソラマメ。雑草と共生して大きな莢をつけた。なかにはたくさんの莢をつけた株がある。美味しい。こんな美味しいソラマメを食える幸せ、贅沢を堪能する自認百姓である。
 一方のビックリグミは野鳥に突っつかれている。なり元に銀紙をつけておけば突っつき傷のない実が収穫できるのだが。まあいいか。人間へのわけまえは。今年は野鳥のお腹がすいているようだ。沢沿いに点在する桑の大木に鈴なりしている桑の実も、順次熟しているはずなのに黒く熟した実がみあたらない。これもいまのところ野鳥の餌になっている。もう少し待てばこちらにもおすそ分けがまわってくるはず。



J2012年6月12日 直轄農場の麦畑
 3種の麦と麦跡。左からアオバ小麦、二条大麦跡、ライ麦、南部小麦。
 左端。成熟してきたアオバ小麦。3列ごとの畝間にジャガイモを作付けしている。アオバ小麦もジャガイモもそろそろ収穫期になる。それにしても、この左端のアオバ小麦と右端の南部小麦。なんとも情けない茎立ち。スズメが姿を消して3年になる。野鳥の被害ではない、野鳥の食害ではなかった。この原因は脆弱な地力。地力を高める努力が不足している。これまで実施してきた夏草の還元だけでは不足なのだろう。茎莢の還元にくわえて積極的に作付ける緑肥も必要ということだ。
 左から2番目は、二条大麦跡。ここはすでにクローバを刈払いして、ゴマを蒔いた。その右に成熟中のライ麦が写っているのだが。その隣、3番目の写真も同じ畑のライ麦なのだ。両者の撮影日には5日間のずれがあっても、肉眼ではほとんど同じ色合い。しかし、天候が違う。左から二番目だけが陽が射していた。ほかのカットはすべて雨曇り。カメラを通すと、こんなに色合いが違う。直轄農場とビーチャレ農場、両者の二条大麦の生育状況を比較した際にも同様だった。まあ、こうした現象は、携帯機器の世界ではカメラ搭載があたりまえの時勢に、なにをいまさら、でしょう。だが、人間ばかりでなく、二条大麦跡を横切っているキジネコも、おそらくほとんどすべてのどうぶつ達が意識せずとも、この色合いの補正を自然にやる能力を持っているのだろうなどと思い巡らして、あらためていきものの偉大さをかみしめたのだった。



 ついでに刈払いしたナンブ小麦跡と第二農場(橋南)の風景。
 ・左端は刈払いしたナンブ小麦跡。ヤグルマギクが繁茂して、いま満開。クローバーが劣勢。
 ・左から2番目はアカクローバとカキドオシが繁茂している畝と自家採種トウモロコシ畝。今年は2種のトウモロコシを作付けた。昨年たねの森から分けていただいたこの自家採種のゴールデンバンタムと自然農法国際研究開発センターから分けていただいたモチットコーン。
 ・次はキャラウェイ。放任栽培。みごとに冬草と共存していた。
 ・右端は着果を開始したカボチャ。先日まではウリバエの食害が気になったが、ここまで成長すれば大丈夫。今年はたくさんウリ類の種を蒔いた。すでにキュウリ、3種類のカボチャ、2種類のスイカ、マクワの芽が出て、蔓が延びたのもあればこのように着果したのもある。着荷すれば日に日に大きくなる。着果すると収穫日がやってくるまでわくわく待ち遠しい。



J2012年6月18日 アオバ小麦とナンブ小麦を収穫
 アオバ小麦とナンブ小麦を刈りとって脱穀した。子実が少し軟らかいので低速で脱穀機をまわした。当日の午後早めのうちに収穫作業が終了、子実はパイプハウスに持ち込み天日乾燥をおこなっている。
 写真上段左端より刈り取り直前のアオバ小麦、ナンブ小麦、来週収穫予定のライ麦。
 写真下段も左端よりアオバ小麦の茎、手刈り作業中のナンブ小麦、アオバ小麦の子実、アオバ小麦とナンブ小麦の穂を比較。
 さて、上段左端の収穫直前のアオバ小麦。この畝が最も成績が良い。そのせいではないだろうが、茎が折れている。写真では見にくいが、ところどころ茎が折れている。ほかの畝もところどころ茎が折れている。スズメが来たのだ。間違いない。農夫の立場からは手放しで喜べるものでもないにしても、スズメが戻った。ただし、まだまだ僅か。4年前までなら、無防備のままここまで畑で熟した大麦はすべてスズメの餌になっていた。ともあれ、かつての麦畑の姿に戻るきざしがみえたのだから、よい兆候だと思う。
 今季は先に収穫した二条にくわえてアオバ小麦とナンブ小麦も収量が僅か。来年につなげる量を確保する。それよりもここにきてクローバーがうまく繁ってきた。今夏この畑はクローバーを繁茂させよう。
 写真下段。アオバもナンブも茎数が少なく雑草が旺盛なのでバインダーが使えない。鎌で刈って一輪車に載せて東屋に運搬する。左端はアオバ小麦の茎。ナンブ小麦よりも太くしっかりしている。右端は両者の穂を比較。左がアオバ、右がナンブ。小麦といえば「農林61号」の身には、アオバよりも見慣れた穂姿のナンブ小麦が美しく見える。偏見そのままの気持ちを表現すると、アオバの穂姿は人工的。




J2012年6月25日 ライ麦とジャガイモを収穫
 23日と24日の両日、晴れて乾燥した日になるとの予報。ならばこのタイミングでライ麦とジャガイモを収穫するぞと気合をいれた。たしかに、梅雨時にしてはまあまあの晴天。じっとりというほど湿気なく、予定通り作業を終えた。
 その23日。午前中は畑に湿気があったので、ライ麦の刈り取りは午後になった。写真上段左端。刈り取りにはバインダーを使った。雑草やクローバーが繁るから、バインダーの先端を最大限浮かせて刈り取った。刃の周囲に草がジャムらずにうまく作業が進んだ。次の写真。刈り終えたらオスキジがやってきて2匹のモンシロチョウを追っかけまわしていた。麦類の収穫をすべて終えたこの畑、第一農場の茂みは減ったものの隣接する第二農場はキクイモをはじめトウモロコシやトマトなどが藪のように繁っている。彼らの棲みかにことかかない。その次の写真。いつものように、バインダーからエンジンを下ろして、脱穀機の動力源にする。
 翌日24日、ジャガイモを収穫した。午前中に掘り終えて、陽射しが西の山に隠れるころまで畑で乾燥させておいた。夕方、いつものようにダンボール箱に取り込み、風の通り道になっている兔平の掘っ建て小屋に運搬。しばらくの間、ダンボール箱のフタをあけたまま放置しておく。
 写真下右端。麦類と雑穀類を連作してきた畑に作付けたジャガイモ。無肥料。できがいい。麦類や雑穀類の後作には野菜類がよくできる。究極の自然栽培畑に作付ければこうなるのだろう。茎葉は小ぶりでも中くらいの立派なイモがごろごろある。来年も麦類や雑穀類の跡にジャガイモを作付けよう。左隣の写真。トマトに似ている、ジャガイモの実。




   今季は麦まきが11月2日。昨年よりも二週間ほど早かった。早まきが生育にどのように現れるのか。期待したのは早めに収穫したいということ。後作の都合から5月末までに収穫できればありがたいと考えた。結果、晩秋からの異常低温が早まきを打ち消したようにみえる。発芽後、年内生育がほとんど進まなかったのだ。あるいは、もっと早く播種すればそれなりの生育をみせたのかも知れない。いいや、地力の低さも影響するかなど、生育にかかわる変数をあげたらきりがない。
 ところで、今季は以下の3点を試行した。
@種まき後土をかけない。
 土をかけないとはいえ、蒔いた種は雑穀の残骸や枯草が覆っていた。だから発芽状態がよかったかどうかとなると分からない。比較対象を設けなかったのだ。手抜きである。
 アオバとナンブは種が少量だったので「かなり疎まき」、二条とライ麦は例年通り「比較的疎まき」。それが原因か、全体に茎立ちが少ない。収量が少ない。来期は播種量を増やしてみるか。もちろん、地力を高める努力は怠らない。
A麦畝周辺に白クローバーを昆播。B離れた位置に赤クローバーを蒔いた。
 両クローバーともに繁りはじめたのが6月上旬。麦との昆作には都合がよい。麦を刈り取った後、旺盛に生育する。
 それでも、茎が長く伸びた赤クローバーもところどころにあるし、カラスのエンドウやヤグルマギクなど雑草も多い。バインダーの先端を普通に下げて運行するとそれら青物がカッターの周囲にまつわりついて、麦を刈り取れず、倒しながら前進してしまう。そこで、バインダーの先端を可能な限り持ち上げて運行する。茎が長く長く伸びた赤クローバーやカラスのエンドウなどが麦とともに束ねられるが、バインダーの運行に支障がない程度に減少する。
 最後に、赤クローバーの蒔き場所である。今回、麦畝から離れた位置に赤クローバーを蒔いた。赤クローバーは茎が長く伸びるから、麦莢に絡まないよう対策を講じたのだ。しかし今季は異常低温の影響だろう赤クローバーの繁茂開始が遅れたため、この対策はほとんど意味がなかった。




 麦雑穀工房マイクロブルワリー